awsを費用をかけずに運用する方法とは

aws(アマゾン・ウェブ・サービス)には無料利用枠が設けられています。

しかし、本格的に運用するとなると無料利用枠を超えてしまうことも多いでしょう。理解した上で支払うならよいのですが、いつの間にか無料利用枠を超えていて料金を請求されると予期せぬコストになってしまいます。

ここではawsの無料利用枠と、無料利用枠内で運用する方法について詳しく解説します。

awsの無料利用枠とは

awsのアカウントを作ると「無料トライアル」「12か月間無料」「常に無料」の、3種類の無料利用枠を試すことができます。基本的には、すべてのアカウントが無料利用枠の対象です。対象となるサービスは、「awsクラウド無料利用枠」のページの詳細リストで確認できます。

awsの無料利用枠は、あくまで多数あるawsの製品の使い心地を試すためのものです。実際に利用してみることで、製品の必要性や使い勝手がわかります。

無料利用枠の中で使用し続けることができるものもあるかもしれません。

有用な製品はできるだけ費用をかけずに運用する方法を模索し、試した感触によってはawsを利用しないという選択肢もあります。awsの無料利用枠を活用することは、awsの運用費用を抑えることにつながります。

awsの無料利用枠の「無料トライアル」

無料トライアルは、短期間だけ試せる製品です。1回だけ試せる製品もあります。しかし確認してみると、決まっているのは利用期間だけではありません。たとえば機械学習の開発ができるAmazon SageMakerは2か月無料ですが、月に利用できる時間や書き込みができる数も制限されています。

Amazon SageMakerのサイトの下部には、「開始方法」の中に「無料利用枠で開始」があります。クリックするとコンソールへのサインアップを促されますが、無料利用枠についての詳しい説明は「awsクラウド無料利用枠」のページに書かれているので、無料の範囲について使用前に確認しましょう。

利用期間のカウントは、製品を有効にした日からです。トライアル期間が終了したり、決められた使用量を超えたりすると従量制の料金が発生します。

awsの無料利用枠の「12か月間無料」

12か月間無料は、最初にawsにサインアップした日からカウントされます。この無料利用枠にはコンピューティングができるAmazon EC2や、ストレージのAmazon S3があります。12か月間無料の場合も利用期間だけでなく、1か月に使える時間やリクエストの件数などが決められています。

Amazon EC2の場合はサイトの上部の「aws無料利用枠」のリンクから「Amazon EC2の料金」のページへ移動してみると、使用料を無料利用枠内に収めるならEC2マイクロインスタンスのみを利用するようにと書かれています。

Amazon S3の場合は「aws無料利用枠」のリンクをクリックすると、「料金-Amazon S3」のページに移動し無料利用枠についての説明があります。12か月間無料の場合も有効期限が切れたり、使用量が無料利用枠を超えると従量制料金が発生します。


awsの無料利用枠の「常に無料」

無料利用枠の常に無料の製品には、「無期限無料」と表示されています。常に無料にあるデータベースAmazon DynamoDBは、ストレージの量や書き込みや読み込みのキャパシティーユニットの個数が決まっています。

Amazon DynamoDBの「無料利用枠」をクリックすると、「料金-Amazon DynamoDB」のページが表示されます。ここでの説明は、有料サービスについてのみです。これらのことからawsの無料利用枠とは無料で使える利用期間のみを指し、サービスを無制限に使えるわけではないことがわかります。

無料利用枠を超えないために利用状況を知るには

費用をかけずにawsを運用するためには、利用状況を知る必要があります。awsにはあらかじめ、無料利用枠の使用量を追跡できる機能が備わっています。アカウントにログインしてBilling & Cost Managementダッシュボードにアクセスすると、いくつかの方法で現在と過去の使用状況をサービス別、リージョン別に確認できます。

ダッシュボードのaws Budgetsを利用すれば使用状況の管理ができ、通知を有効にするとメールで自動的に無料利用枠使用状況アラートを受けとることができます。デフォルトでは、各サービスの無料利用枠の上限の85%を超えた場合に通知されるように設定されています。

上限を100%に設定することもできますよ。請求コンソールにある、「使用状況別上位無料利用枠サービス」の利用で無料利用枠の確認が可能です。Cost Explorerでは、原価作用因と使用状況傾向の可視化ができます。

aws Cost and Usage Reportsを利用するとawsの使用状況を追跡して、アカウントに関連づけられた推定料金を知ることができます。エクセルのスプレッドシートにレポートを表示したり、AmazonS3APIを使用してレポートにアクセスしたりも可能です。

awsの無料利用枠を使う際の注意点

awsアカウントが複数ある場合でも、無料利用枠は1つだけです。無料利用枠は月ごとの使用量で、権利は毎月1日に失効するので繰り越すことはできません。awsの支払いは、基本的にはクレジットカードになります。

費用をかけずにawsを無料利用枠のみで運用する場合でも、本人確認や無料利用枠を超えてしまった場合の請求に必要なのでクレジットカードの登録は必須です。

請求書では無料利用枠でも明細項目が表示され、無料利用枠のサービスには「under monthly free tier」の表記がつけられ請求額は0ドルと記載されます。

12か月間無料の製品については、登録しているアドレスに無料利用枠の終了日をお知らせするメールが送信されます。有効期限が切れると、標準の請求レートで使用量の請求が行われます。

アカウントを作成してからあまり利用していなかった場合でもアクティブなリソースが実行されたままになっていると請求の対象となるため、終了日の通知が届いたら不要なリソースが稼働していないかを確認し、あれば終了しましょう。

アクティブなリソースの確認はAWS Management Consoleにサインインして請求コンソールを開き、「すべて展開」をクリックするとサービス料金のリストを見ることができます。awsを利用しないことに決めてアカウントを閉じた場合でも、アクティブなリソースは自動的に終了しません。

特に、継続的な支払い義務のあるサブスクリプションを購入した場合は注意が必要です。アカウントを閉じる前にリソースを終了しておかないと、料金が発生する可能性があります。アカウントを閉鎖する前に必要なコンテンツのデータを取得することができますが、取得方法はサービスによって異なります。

awsの運用に欠かせないlambda

awsの運用費用を抑えるために無料利用枠を使ってみる

awsでは、100以上の製品を無料で試すことが可能です。3種類の無料利用枠があり、それぞれ利用できる期間が異なります。awsの無料利用枠は利用期間だけでなく、サービスによって使用範囲に様々な制限があります。

期限が切れたり決められた使用量を超えたりすると、従量制で課金されるので注意しましょう。無料利用枠を上手に利用することで、aws運用の費用を抑えることができます。

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